○稲美町経営開始資金交付要綱
平成24年9月26日
要綱第34号
(趣旨)
第1条 次世代を担う農業者となることを志向する者に対して、就農直後の経営確立を図るため、新規就農者育成総合対策実施要綱(令和4年3月29日付け3経営第3142号農林水産事務次官依命通知。以下「実施要綱」という。)別記2、兵庫県新規就農者育成総合対策に係る事務処理について(令和4年7月1日付け。以下「県の事務処理」という。)に則り、稲美町経営開始資金(以下「資金」という。)を交付することに関し、必要な事項を定めるものとする。
(交付要件等)
第2条 町長は、次に掲げる要件を満たす者(以下「交付対象者」という。)に対し、予算の範囲内で資金を交付する。
(1) 独立・自営就農時の年齢が、原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること。
ア 農地の所有権又は利用権(農地法(昭和27年法律第229号。以下「農地法」という。)第3条に基づく農業委員会の許可を受けたもの、同条第1項各号に該当するもの、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号。以下「基盤強化法」という。)第19条に基づく公告があったもの、農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第18条に基づく公告があったもの、都市農地の貸借の円滑化に関する法律(平成30年法律第68号)第4条に基づく認定を受けたもの又は特定作業受委託契約を締結したものをいう。)を交付対象者が有していること。
イ 主要な農業機械・施設を交付対象者が所有している又は借りていること。
ウ 生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷・取引すること。
エ 交付対象者の農産物等の売上げや経費の支出などの経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。
オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。
(3) 基盤強化法第14条の4第1項に規定する青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし、交付期間中に、同法第14条の5第2項に規定する認定の取消しを受けた場合及び同条第3項に規定する認定の効力を失った場合を除く。
(4) 青年等就農計画に経営開始資金申請追加資料(様式第1号)を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)が次に掲げる要件に適合していること。
ア 農業経営を開始して5年後までに農業(農業生産のほか、農産物加工、直接販売、農家レストラン、農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。
イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。
(5) 経営の全部又は一部を継承する場合は、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し、かつ給付期間中に、新規作目の導入、経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い、新規参入者(土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した者をいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると町長に認められること。なお、一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人。)以外の農業法人を継承する場合は給付の対象外とする。
(6) 人・農地プランの具体的な進め方について(令和元年6月26日付け元経営第494号農林水産省経営局長通知)の2の(1)の実質化された人・農地プラン、同通知3により実質化された人・農地プランとみなすことができると判断できる既存の人・農地プラン及び同通知4により実質化された人・農地プランとして取り扱うことができる人・農地プラン以外の同種取決め等に中心となる経営体として位置づけられている若しくは位置づけられることが確実と見込まれていること、又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること(以下「人・農地プランに位置づけられた者等」という。)。
(7) 次に掲げる条件に該当していること。
ア 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付等を受けていないこと。
イ 実施要綱の別記3雇用就農資金、農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年4月6日付け23経営第3543号農林水産事務次官依命通知)の別記2農の雇用事業(以下「農の雇用事業」という。)、新規就農者確保加速化対策実施要綱(令和3年1月28日付け2経営第2558号農林水産事務次官依命通知)の別記2就職氷河期世代雇用就農者実践研修支援事業(以下「就職氷河期世代雇用就農者実践研修支援事業」という。)、新規就農者確保緊急対策実施要綱(令和3年12月20日付け3経営第1996号農林水産事務次官依命通知)の別記2雇用就農者実践研修支援事業(以下「雇用就農者実践研修支援事業」という。)による助成金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
ウ 経営継承・発展等支援事業実施要綱(令和3年3月26日付け2経営第2988号農林水産事務次官依命通知)の別記1経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ、過去に受けていないこと。
(8) 園芸施設共済の引受け対象となる施設を所有する場合は、当該施設について、気象災害等による被災に備えて園芸施設共済、民間事業者が提供する保険又は施工業者による保険等に加入している、又は加入することが確実と見込まれること。
(9) 前年の世帯全体の所得が600万円以下(被災による経営開始資金の交付休止期間中の所得を除く。以下同じ。)であること。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると町長が認める場合に限り、採択及び交付を可能とする。
(10) 就農する地域における将来の農業の担い手として、地域のコミュニティへの積極的な参加に努め、地域の農業の維持・発展に向けた活動に協力する意思があること。
(11) 平成31年4月以降に農業経営を開始した者であること。
(交付金額及び交付期間)
第3条 資金の額は、1か月につき12.5万円(1年につき150万円)とし、最長36か月(経営開始後3年目分まで)とする。
2 夫婦で農業経営を開始し、次に掲げる要件を満たす場合は、交付期間1か月につき夫婦合わせて、前項の額に1.5を乗じて得た額(1円未満は切捨て)を交付する。
(1) 家族経営協定を締結しており、夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
(2) 主要な経営資産を夫婦で共に所有し、又は借りていること。
(3) 夫婦共に人・農地プランに位置づけられた者等となること。
(交付の停止)
第4条 次の各号に掲げる事項のいずれかに該当する場合は、町長は資金の交付を停止する。
(1) 第2条の要件を満たさなくなった場合
(2) 農業経営を中止した場合
(3) 農業経営を休止した場合
(4) 第12条第2項に規定する報告を行わなかった場合
(5) 第20条の就農状況の現地確認等により、新規就農者育成総合対策のうち就農準備資金・経営開始資金の考え方にについて(令和4年3月29日付け経営第3216号就農・女性課長通知。以下「交付対象者の考え方」という。)を満たさない等、次に掲げる状況が確認され、適切な農業経営を行っていないと町長が判断した場合
ア 青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合
イ 耕作すべき農地を遊休化した場合
ウ 農作物を適切に生産していない場合
エ 農業生産等の従事日数が一定(年間150日かつ年間1,200時間)未満である場合
オ 町長から改善指導を受けたにも関わらず、改善に向けた取組を行わない場合
(6) 実施要綱第10の3に規定する国が実施する報告の徴収又は立入調査に協力しない場合
(7) 前年の世帯全体の所得が600万円を超えた場合(その後、世帯全体の所得が600万円以下となった場合は、翌年から交付を再開することができる。)。ただし、当該所得が600万円を超える場合であっても、生活費の確保の観点から支援対象とすべき切実な事情があると町長が認める場合に限り、交付を可能とする。
(2) 虚偽の申請等を行った場合 資金の全額
(3) 資金の交付期間(休止等、実際に交付を受けなかった期間を除く。)と同期間、同程度の営農を継続しなかった場合 交付済みの資金の総額に、営農を継続しなかった期間(月単位。1か月に満たない日数は切り捨てる。)を交付期間(月単位。1か月に満たない日数は切り捨てる。)で除した値を乗じた額。ただし、第14条の手続を行い、就農を中断した日から原則1年以内に就農再開し、就農中断期間と同期間更に就農継続した者を除く。
(青年等就農計画等の承認申請)
第6条 資金の交付を受けようとする者は、青年等就農計画等を作成し、町長に承認申請する。なお、青年等就農計画書等を作成するに当たっては、町に相談し、計画の妥当性及び目標達成の実現性の観点から、兵庫県農林水産部の関係機関及び第25条のサポート体制の関係者等から助言並びに指導を受けることとする。
(交付申請)
第8条 交付承認者は、経営開始資金交付申請書(様式第2号。以下「交付申請書」という。)に稲美町補助金等交付規則(平成3年稲美町規則第9号)第17条第2項に規定する補助金等請求書(様式第7号。以下「請求書」という。)を添えて、町長に資金の交付を申請しなければならない。この場合において、交付の申請は1か月分から1年分までの間で町長が定める単位として行うことを基本とし、原則として、申請する資金の対象期間の最初の日から1年以内に行うものとする。
2 申請の対象は、令和3年4月以降の農業経営とする。
(交付の休止)
第11条 資金受給者は、病気などのやむを得ない理由により就農を休止する場合は、休止届(様式第4号)を町長に提出しなければならない。なお、休止期間は原則1年以内とする。
3 資金受給者が妊娠若しくは出産又は災害により就農を休止する場合は、1度の妊娠若しくは出産又は災害につき最長3年の休止期間を設けることができる。ただし、第3条第2項に規定する夫婦で農業経営を行う妻が妊娠又は出産による就農を休止する場合を除く。
(就農報告等)
第12条 資金受給者は、交付期間中、毎年7月末及び1月末までに、その直前の6か月の就農状況報告(様式第6―1号)を町長に提出しなければならない。
3 資金受給者が、交付期間終了後5年間に農業経営を中止し、離農した場合は、離農後1か月以内に離農届(様式第7号)を町長に提出しなければならない。
(住所等変更届)
第13条 資金受給者は、交付期間内及び交付期間終了後5年間に氏名、居住地、電話番号等を変更した場合は、変更後1か月以内に住所等変更届(様式第8号)を町長に提出しなければならない。
(就農中断等)
第14条 資金受給者は、交付期間終了後の就農継続期間中にやむを得ない理由により就農を中断する場合は、中断後1か月以内に町長に就農中断届(様式第9号)を提出しなければならない。なお、就農中断期間は就農を中断した日から原則1年以内とする。
(青年等就農計画等の承認)
第16条 町長は、第6条の規定により資金の交付を受けようとする者から青年等就農計画等の申請があった場合には、青年等就農計画等の内容について審査する。
2 資金の交付は半年分を単位として行うことを基本とする。ただし、町長の判断により1か月分ごと又は1年分を単位として行うことができるものとする。
(交付申請の変更)
第19条 町長は、第9条の規定により変更交付申請を受けた場合は、変更の内容が適当であると認めたときは、変更した内容に基づき資金を交付する。
2 町長は、前項の確認に加え、サポートチームと協力して資金受給者の経営状況の把握に努めることとし、交付期間中、必ず年1回は、次に掲げる方法により、チェックリストを用いて、資金受給者の経営状況と課題を当該資金受給者ととも確認し、青年等就農計画等の達成に向けて経営改善が必要な場合は、適切な助言及び指導を行うものとする。
(1) 資金受給者への面談
ア 営農に対する取組状況
イ 栽培・経営管理状況
ウ 青年等就農計画等の達成に向けた取組状況
エ 労働環境等に対する取組状況
(2) 圃場確認
ア 耕作すべき農地が遊休化されていないか
イ 農作物を適切に生産しているか
(3) 書類確認
ア 作業日誌
イ 帳簿
ウ 農地の権利設定の状況が確認できる書類(農地基本台帳、農地法第3条の許可を受けた使用貸借、賃貸借若しくは売買契約書、公告のあった農用地利用集積計画若しくは農用地利用配分計画、特定作業受委託契約書又は都市農地の貸借の円滑化に関する法律第4条第1項の規定に基づく事業計画のうち該当する箇所のいずれかの書類の写し)
(就農中断届)
第21条 町長は、第14条の規定により資金受給者から交付期間終了後の就農継続期間中に就農中断届の提出があり、その内容がやむを得ない事情であると認められる場合は、就農の中断を承認する。なお、就農中断期間は就農を中断した日から原則1年以内とする。
2 町長は、就農中断届の提出のあった資金受給者の就農再開に向けた取組状況を適宜確認し、フォローアップを行うものとする。
(交付の休止及び再開)
第23条 町長は、第11条第1項の規定により資金受給者から休止届の提出があり、やむを得ない事情があると認められる場合は、資金の交付を休止する。なお、やむを得ない事情があると認められない場合は、資金の交付を中止する。
2 町長は、第11条第2項の規定により資金受給者から経営再開届の提出があり、適切に農業経営を行うことができると認められる場合は、資金の交付を再開する。
(資金の返還)
第24条 資金受給者が第5条各号に掲げる要件のいずれかに該当した場合は、町長は、当該資金受給者に資金の返還を命ずる。
2 町長は、第15条の規定により資金受給者から提出された返還免除申請書の申請内容が第5条各号列記以外の部分ただし書のやむを得ない事情として妥当と認められる場合は、資金の返還を免除することができる。
3 町長は、資金受給者から資金の返還があったときは、速やかに返還された資金を兵庫県に対して返還するものとする。
(サポート体制)
第25条 町長は、交付対象者の「経営・技術」、「営農資金」、「農地」の各課題に対応できるよう、加古川農業改良普及センター、兵庫南農業協同組合、公益社団法人ひょうご農林機構を中心に構成するサポート体制を構築するものとする。
3 町長は、第1項のサポート体制の中から、交付対象者ごとに「経営・技術」、「営農資金」、「農地」のそれぞれの専属の担当者(以下「サポートチーム」という。)を選任し、交付対象者の上記各課題の相談先を明確にするものとする。なお、サポートチームについては、新規就農者の農業経営、地域生活等の諸問題に対して適切な助言及び指導が可能な農業者を参画させることを必須とし、当該農業者は、交付対象者の農業経営、地域生活等に関する相談に乗り、必要に応じて助言及び指導を行うものとする。
(1) 青年等就農計画書等作成への助言及び指導
(2) 青年等就農計画書等の承認に係る審査への参加
(3) 就農期間中の就農状況の確認、助言及び指導
(雑則)
第26条 町長は、本事業の適切な実施状況及び本事業の効果を確認するため、資金受給者に対し、必要な事項の報告を求めたり、現地への立入調査を行うことができる。
(補則)
第27条 この要綱に定めるもののほか、資金の交付に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この要綱は、公布の日から施行する。
附則(平成25年8月8日要綱第22号)
この要綱は、公布の日から施行し、平成25年5月16日から適用する。
附則(平成28年3月3日要綱第6号)
この要綱は、公布の日から施行し、平成27年4月1日から適用する。
附則(令和4年9月14日要綱第40号)
この要綱は、令和4年9月30日から施行する。