地産率が高くアレルギーにも配慮。美味しい、そして安心な学校給食。

福森 淳先生(写真左)、徳梅 咲里先生(写真中)、佐用 ヱリカ先生(写真右)/ 栄養教諭

稲美町にある5つの小学校と2つの中学校では、昼食には給食が提供されます。調理は各校で行いますが、献立は7校共通。その献立を作成するのが、栄養士の資格を持つ栄養教諭のみなさんです。ふだん、どんなことに気を配りながら献立作成をしているのでしょうか。
「これだけ田んぼや畑がある町なので、地元のものを、一番美味しい時期に使うことは常に意識しますね。一般的に、一食全てを地元食材だけで賄うことはかなり難しいのですが、稲美町ではそれが十分に可能ですから」と佐用先生。自分が住んでいるところでどれくらいたくさんの食材が作られているのか、そして、それを食べられるのがどれほどありがたいことなのかを子どもたちに伝えたいといいます。

旬の食材を使った安心で、美味しいメニューを

「学校に常駐する勤務形態なので、子どもたちから『こんなメニューを食べたい!』とダイレクトに聞けるんです。献立作成にあたっては、そうした意見も考慮していますね」と話すのは徳梅先生。直接言葉にしなくても、「このメニューは食べっぷりがすごい!」といった食事中の反応は非常に雄弁で、「それじゃあ、また機会を見て献立に入れようか」といったサイクルも生まれるのだとか。
「町内の5つの小学校では、その日の給食で出される全児童ぶんのトウモロコシを、朝、1年生がヒゲをとって皮をむくイベントがあります」と、食育の取り組みを説明するのは福森先生。他の野菜、他の学年でも実施するそうですが、自らの手を動かして調理の下準備をすると、その学年は食べ残しが目に見えて少なくなるのだといいます。
さらにもう一つ、稲美町の学校給食で特筆すべきはアレルギー対応です。そもそも、乳製品や卵製品などの加工品を多く含む献立は物理的にアレルギー物質を取り除きづらいため、稲美町では加工品自体の使用を極力抑えて献立を作成。そのうえで、卵スープなら卵を抜くなどの配慮をしており、アレルギー持ちの児童にも優しいのだとか。地元産の旬の食材を使った美味しいメニューを、みんなが安心して食べられるのが、稲美町の学校給食なのです。