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あしあと

    醸造場遺跡「レンガを敷いた地下室」

    • [公開日:]
    • ID:139
    ガラス瓶

     播州葡萄園は、欧州産葡萄の栽培と醸造試験などを目的にして、明治13年(1880年)3月に当時の加古郡印南新村で開園した、明治政府の国家プロジェクトのひとつでした。
     明治16(1883)年頃から収穫が始まり、ワインやブランデーなどを生産したという記録が残っていますが、明治21(1888)年には民間に払い下げられ、20年代の後半には廃園になったと考えられています。しかし、この播州葡萄園に関係した資料は、「農務顛末」という国がまとめた文献資料や、当時のものと考えられる古い井戸、移築した納屋などが残っていただけで、長い間“幻の葡萄園”だったのです。
     ところが平成8年(1996年)7月印南地区のほ場整備事業用地の一角で、偶然にレンガ積みの遺構を発見しました。
     そしてこの年の10月から11月にかけて発掘調査を行ったところ、ここには明治19(1886)年に完成した播州葡萄園の大きな醸造場が建っていて、その地下室は記録のとおりレンガを敷き詰めた構造だったことがわかりました。
     この醸造場が完成した当時、すぐ北隣には明治17(1884)年に完成した醸造場が、西側には18年完成の蒸留場が建っていました。つまりこのあたりは、園内で収穫した葡萄からワインやブランデーなどを生産するための施設が集まっていた一帯だったと考えられます。
     平成9(1997)年1月。稲美町教育委員会は、明治前期の国策や、この地域の歴史を理解するための重要な歴史遺産としてこの醸造場の遺構を町指定文化財に指定しました。

    車寄せ(西)

    車寄せ(西)

    車寄せ(東)

    車寄せ(東)

    南中央トレンチ

    南中央トレンチ

    北東トレンチ

    北東トレンチ

    遺構平面図

    遺構平面図

    「農務顛末」の醸造場の平面図

    「農務顛末」の醸造場の平面図

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