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あしあと

    令和7(2025)年度 ふるさと納税返礼品・協力企業の紹介(学生レポート)

    • [公開日:]
    • ID:7485

    稲美町 官学連携ふるさと納税返礼品紹介 学生レポート

    稲美町では官学連携事業として、流通科学大学と連携して稲美町の魅力発信を行っています。

    令和7(2025)年度は、ふるさと納税の返礼品協力企業の取材を行いました。

    取材を行った流通科学大学の学生レポートを紹介します。

    それぞれの協力企業とふるさと納税返礼品の魅力を知っていただき、ぜひ稲美町へのふるさと納税をご検討ください。

    「文明堂神戸店とふるさと納税返礼品の紹介」

    今回、私たち秦ゼミは、稲美町に工場を構える文明堂神戸店様にお話を伺いました。当日は、営業部の中村俊之様と製造部の川﨑公章様にインタビューに答えて頂きました。

    1.稲美町に工場を構えた背景と、ふるさと納税への取り組み

    まず、文明堂神戸店が稲美町に工場を構えた理由についてお聞きしました。文明堂神戸店は、もともと神戸市垂水区に工場を構えていたそうです。しかし、昭和の終わりから平成初期にかけての経済成長期に企業規模が拡大し、既存の工場が手狭になったことから、新たな工場の建設を検討することになったとのことでした。稲美町は、本社のある神戸市兵庫区や、姫路市・加古川市などの販売拠点から近く、高速道路へのアクセスも良好であるため、商品の供給がしやすい立地である点が決め手となり、平成4年に稲美町の日の出工業団地内で操業を開始されました。

    文明堂神戸店インタビューの様子1

    文明堂神戸店インタビューの様子

    次に、ふるさと納税への参加を決めた背景について伺いました。文明堂神戸店は、工場だけでなく隣接する工場直売店でも製造・販売を行っており、長年にわたって稲美町にお世話になってきたことから、ふるさと納税を通じて町の名前や魅力を全国に発信し、地域の活性化につなげたいという思いがあったそうです。

    また、文明堂の商品を返礼品として選んでもらうことで、寄附金の一部が教育や福祉、観光振興などに活用される点にも意義を感じていると話されていました。文明堂のカステラは日持ちがよく、全国配送が可能な商品であるため、これまで商品を知らなかった人にも知ってもらうきっかけになると考えておられ、稲美町と文明堂の双方にとってメリットのある取組として、今後も継続していきたいとのことでした。


    2.カステラ巻きの開発と、製造における工夫

    次に、カステラ巻きの開発についてお話を伺いました。もともとカステラは棒状のものが主流で、切って皿に盛って食べる必要がありました。そこで、初代店主が、より手軽に食べられる形を考案したことが、カステラ巻き誕生のきっかけだったそうです。

    原材料へのこだわりについても詳しく教えていただきました。卵は、食品の安全性に配慮した国家基準FSSCに対応した養鶏場・卵工場で生産されたものを使用し、兵庫県や岡山県、香川県を中心とした近郊の養鶏場から、鮮度の高い卵を仕入れているとのことでした。納入後はすぐに温度を測定して冷蔵保管し、使用前には担当者が目視で品質と鮮度を確認するなど、細かな管理が行われているそうです。

    小麦粉についても、グルテンの配分などを研究し、しっとりとした口当たりになるよう調整されたものを使用しています。カステラとの相性を考えながら試行錯誤を重ね、現在の商品にたどり着いたと話されていました。

    カステラ巻きは、通常のカステラの材料に加えて、しょうゆと重曹を使用する点が特徴で、泡立てずに焼成することで、素材の風味を生かしているとのことです。製造時には、室温や湿度の管理を徹底し、特に夏場は卵の水分量を考慮しながら、比重や焼成時間を調整するなど、過去のデータと職人の判断をもとに製造が行われているそうです。

    文明堂神戸店 カステラ巻

    文明堂神戸店 カステラとカステラ巻各種

    3.ブランドづくりと販売戦略

    文明堂は、創業から125年を迎える老舗企業であり、現在も全国的に高い知名度を誇っています。その背景には、流行に頼らず、地道な取組を続けてきた姿勢があると感じました。発祥の地である長崎では、開店当初からビラ配りを行うなど、積極的な宣伝活動を行い、得た利益を看板や新聞広告などに再投資してきたそうです。時代の変化に合わせて広告手法も進化し、現在ではSNSを活用した情報発信に力を入れているとのことでした。

    特にInstagramやFacebookでは、投稿の統一感を大切にし、専門のデザイン会社と連携しながら、ブランドの世界観を伝える工夫を行っています。小さな画面でも見やすいデザインを意識し、季節限定商品のパッケージや焼き印など、細部へのこだわりを発信している点が印象的でした。

    文明堂神戸店インタビューの様子2

    文明堂神戸店インタビューの様子

    4.顧客層の変化と、今後の課題

    最後に、顧客層の変化や近年の課題についてお話を伺いました。近年はインバウンド需要の影響もあり、外国人観光客の利用が増えているほか、味だけでなく、パッケージデザインや食べやすさ、限定感といった要素を重視する消費者も増えているそうです。

    一方で、卵や小麦、砂糖などの原材料価格や、人件費の高騰が続いており、やむを得ずここ数年で2度の価格改定を行ったと話されていました。しかし、単に価格を上げるのではなく、素材や品質、製法へのこだわりを丁寧に伝え、納得して選んでもらえる商品づくりを目指しているとのことでした。お忙しい中、お時間を割いて頂き、本当にありがとうございました。

    文明堂神戸店インタビューの様子3

    インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

    事業者データ

    「有馬芳香堂とふるさと納税返礼品の紹介」

    今回、私たち秦ゼミは、稲美町に工場を構える株式会社有馬芳香堂さんにインタビューに伺いました。当日は代表取締役社長の有馬康人様と社員の方にお話を伺うことができました。

    1.有馬芳香堂の歩みと稲美町との関わり

    有馬芳香堂の始まりは、有馬康人社長の曽祖父である有馬嘉馨さんの代にさかのぼるそうです。嘉馨さんは、かつて神戸税関で働いており、豆類や落花生などの輸入経路とつながりを持っていたとのことでした。当時、お茶屋を営んでいた嘉馨さんの妻である有馬さとさんが、「分け合いやすい」という理由から豆菓子を取り扱い始めたことが、有馬芳香堂の原点だそうです。その後、栄養価の高い豆菓子を広め、多くの人に笑顔を届けたいという思いから、豆菓子専門店として事業を展開していったと教えていただきました。

    創業当初は神戸市兵庫区に拠点を構えていましたが、約50年前に、2代目社長が友人から稲美町を紹介されたことをきっかけに、現在の場所へ工場を移転したそうです。稲美町は高台に位置しており、水害の心配が少ないことに加え、工場の拡張が可能であった点も決め手になったとのことでした。

    また、有馬芳香堂は地域とのつながりを大切にしており、地元イベントにも積極的に参加していることが分かりました。復興フェスや神戸製鋼関連のイベント、明石の農林漁業祭などに出店するほか、稲美町では年2回の感謝セールを実施しているそうです。さらに、地域の祭りへの商品協賛や寄付などにも協力しており、地域貢献に力を入れている様子がうかがえました。

    工場で働く従業員の多くは、稲美町や明石市、姫路市などの地元出身者で、県立農業高校の卒業生も多いそうです。こうした点からも、有馬芳香堂にとって地域とのつながりが会社運営において重要な要素であることが分かりました。

    有馬芳香堂のインタビューの様子1

    インタビューにお答えいただいている代表取締役社長 有馬康人 様

    2.ふるさと納税への参加と、返礼品の選定基準

    有馬芳香堂がふるさと納税返礼品の協力企業となったきっかけは、稲美町のふるさと納税の事業者から声を掛けられたことだったそうです。売上としてはまだ大きな成果は出ていないものの、地元企業として稲美町に貢献したいという思いから、現在も協力を続けていると話されていました。

    返礼品として提供する商品は、売上上位の商品から三つを選定しており、いずれも稲美町の工場で製造された商品だそうです。社員が真心を込めて製造した商品の中から、「自信を持って届けられるトップ3」を選んでいるとのことでした。


    3.豆菓子づくりにおけるこだわりと品質管理

    豆菓子づくりにおいて、最もこだわっている工程について伺ったところ、「すべての工程」と答えられたのが印象的でした。有馬芳香堂では、価格競争に重きを置くのではなく、ナッツ業界の中でも「おいしさ」を追求する会社を目指しているそうです。原材料の選定においても、価格を基準にするのではなく、よりおいしいものを選び、ひと手間を惜しまず商品づくりを行い、お客さまに届けることを大切にしていると話されていました。品質管理の面では、異物混入が最も大きなリスクであると考えており、そのリスクを低減するため、包装ラインにはX線検査機や金属検出機を導入しているそうです。それ以前の工程でも、原料選別などを徹底し、品質を守るための体制を整えているとのことでした。


    4.商品開発とブランディングへの取組

    有馬芳香堂がブランディングで意識しているのは、「どのような商品かが一目で分かること」だそうです。パッケージは、できるだけシンプルで、おいしさが視覚的に伝わるデザインを心掛けていると教えてくださいました。

    例えば、「香ばし蜂蜜バターナッツ」では、これまで文章だけで伝えていた「はちみつ」の要素を、今年10月からイラストで表現するデザインに変更する予定だそうです。また、若い世代へのアプローチとして、「みたらしカシューナッツ」を開発し、若手社員が中心となってデザインやサイズを検討したとのことでした。

    商品開発における苦労については、試作段階ではうまくいった商品でも、大型の製造機械で同じ品質を再現できるかどうかが課題になると話されていました。また、原材料の安定供給や、物流時の温度管理など、さまざまなハードルがあるそうです。現在市場に並んでいる商品は、こうした課題を一つひとつ克服したうえで販売されている商品だと教えていただきました。

    有馬芳香堂インタビューの様子2

    有馬芳香堂インタビューの様子

    5.今後の展望と企業としての方向性

    有馬康人社長は、先代が行ってきた受託型の商品開発に加え、自社発の商品開発にも積極的に取り組んでいるそうです。中小企業の強みを生かし、少ない投資で挑戦する「チャレンジ枠」を設け、反応が良ければ継続し、そうでなければ最低限販売して「0円で学ぶ」形で次につなげていると話されていました。

    過去には、「香ばし蜂蜜バターナッツ」が高温によって固まるなどの品質課題を抱えたこともありましたが、包材や原材料の見直しを2年かけて行い、現在では社内で2番目に売れる商品に成長したそうです。業界全体では価格競争が主流となる中、有馬芳香堂は価格ではなく、味や品質、添加物を使用しない点を強みとし、ニッチでありながら確実なニーズのある市場を追求していく方針だと話されていました。

    今後については、ナッツとスポーツを掛け合わせた商品を百貨店や空港で販売しており、将来的には観光客向けの手土産ブランドの展開にも挑戦してみたいと考えているそうです。食と健康を軸に、マルチブランドでの事業展開を視野に入れているとのことでした。

    海外展開については、現在ハラール対応商品を販売したりされているものの、現時点では海外進出よりも、訪日外国人観光客や在日外国人を対象とした国内市場の開拓に力を入れていきたいと話されていました。

    インタビューに先立ち、本社工場を見学させて頂きました。見学の際には、靴のビニールカバーや帽子等をご用意いただき、混入物が絶対に入らないよう細心の注意をされていることを学びました。有馬芳香堂さんの商品がどれだけの思いで作られているのかを知ることができる貴重な機会を頂きました。今回は貴重な機会を頂き、本当にありがとうございました!


    事業者データ

    お問い合わせ

    稲美町 経営政策部 企画課
    電話: (政策・デジタル推進係)079-492-9130 ファックス: 079-492-5162